愛媛・宇和島 真珠 真珠の豆知識

いざ、宇和島の海へ・・・真珠の核入れ作業と養殖

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春うららかな5月。直接仕入れをしている愛媛県・宇和島にある真珠の養殖場の核入れ作業の視察に行ってきました。
皆さんは真珠の養殖と言うと三重県の伊勢を思い浮かべると思います。ここにはミキモトの真珠島がありますからね。でも、それは昔のこと・・・今の日本の真珠の養殖は1位 愛媛38.2% 、 2位 長崎 35.2% 、 3位 三重 19.1%の生産量となっており、日本一の真珠の産地は愛媛・宇和島なのです。

では順を追って、核入れ作業をご説明いたします。

 

真珠の養殖には「核」という貝殻を球状にした物をアコヤ貝の体内に入れて真珠を作ります。上が核のもとになるイシガイ科のドブガイという貝殻です。この貝殻を球状にくり抜いて核を作ります。このドブガイは主にアメリカのミシシッピ川に生息している貝ですが、貝殻がとても厚いので真珠の核の材料として使われるのだと思われます。

これがドブガイの貝殻を球状にくり抜いたものです。直径はまちまちで養殖業者はベビーパール(小さな真珠)を作ったり、通常の真珠を真珠を作ったりと、目的によって様々に使い分けているようです。2~3ミリなら3~5個、5~6ミリなら2~3個、それより大きな核は1個だけをアコヤ貝の母貝の中に入れます。

「核」の他にもう一つ重要なものがあります。それはアコヤ貝の「外套膜(がいとうまく)」です。外套膜はホタテ貝を例にすると、焼いて食べる際に貝柱の周りにある細長いビラビラ状のものです。この外套膜をアコヤ貝から切り出して、細長い外套膜の左右の縁の部分をメスで取り除いて真ん中の部分だけにして、それを細かく切ります。外套膜の縁の部分が残っていると黒褐色の有機質が分泌され、真珠が汚い黒褐色になってしまいます。細長い外套膜の真ん中だけをきれいに切り出すには熟練の技が必要となります。

さて、いよいよ核入れ作業です。これはメスでアコヤ貝の生殖巣を切って、「核」と「外套膜」を入れるのでオペとも呼ばれます。この作業がうまくいかないとアコヤ貝が死んでしまったり、核に真珠が巻かなかったりと、真珠の良し悪しを決める重要なポイントになります。核に密着させて入れた外套膜の破片は核を包み込むように「真珠袋」へと成長していき、真珠の基となる成分を分泌しながら、核の表面に真珠層を何層にも重ねていきます。

右側の箱に入っている白い球が「核」で左側の木の板にオレンジ色に着色したものが「外套膜」です。

核入れの作業風景です。「核」に「外套膜」を密着させてアコヤ貝の体内に入れていきますが、熟練の技を駆使しての朝から晩までの細かい作業の繰り返しはかなり疲れることと思います。
核入れが終わったアコヤ貝はネットに入れられて、内海の波のない穏やかな環境の海に入れられます。アコヤ貝はこの1か月ほどの養生期間でオペのキズを癒して元気を取り戻します。
約1か月の養生で元気になったアコヤ貝はネットに入れられたまま、餌が豊富で活発に活動ができる沖の海域に移動されます。

これが沖の海域でネットに入れられ元気に真珠層を巻いているアコヤ貝です。このようなネットは50m~60mほどの太いロープに無数にぶら下げられ、さらにそのロープが平行に何本も海域に並べられて真珠の養殖が行われています。
しかし、アコヤ貝はこのまま放置しておけば勝手に大きく育ってくれるわけではありません。餌が豊富でアコヤ貝に快適な海域は他の生物にも快適な場所でもあります。そのため、アコヤ貝の貝殻の表面にはフジツボやゴカイ、カキ、ホタテなどの生き物がたくさん付着します。これらの付着はアコヤ貝の呼吸や給餌を妨げるのでアコヤ貝が死んでしまう原因となります。
そこで養殖業者は1年を通して高圧洗浄やナイフなどで貝殻の表面を綺麗する「貝掃除」をしなければなりません。鯛などの養殖は生け簀の中ににエサだけを投入すればよいのですが、真珠の養殖は全てのアコヤ貝の貝掃除を通年を通して繰り返し作業せねばならないので、気の遠くなるような手間ひまをかける必要があります。

真珠の養殖期間ですが「核入れ作業」はオペをしたアコヤ貝がゆっくり養生が出来る水温の4月~6月に行われ、真珠を収穫する「浜揚げ作業」は「化粧巻き」と言って、真珠のテリが向上する水温の低い時期の11月~2月に行われます。
養殖期間によって春に核入れをして、その年の冬に浜揚げ(採珠)するものを「当年物」(真珠の養殖期間が7~9か月)と呼びます。また、春に核入れをして、その年の冬には浜揚げをせずに、年を越して1年後の翌年の冬に浜揚げするものを「越し物」(真珠の養殖期間が15~22か月)と呼びます。
当店では真珠層が厚くしっかり巻いた、テリの良い「越し物」だけを取り扱っています。

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